Canon New Canonet QL17の修理(失敗)


堺東の「カメラのヤマゲン」にて購入。練習の最後として小型軽量の機械式カメラを選んだ。本体には「Canonet QL17」としか書かれていないが、この機種は小型になった「New Canonet QL17」らしい。「Canonet QL17」はもっと大型のカメラとのこと。本体に正式の機種名を書かないというのは奇妙に思えるが、当時はおかしなことではなかったのだろうか。

初期症状:

不具合の主要因は羽根油だろう。オートに関しては、電圧をかけて絞りリングをAに設定したところ、光量に応じてメーターが動いたので問題ないと思われる。

目次:

結論としては、分解に失敗してしまい、不完全な応急処置しかできなかった。そのため、本稿はあまり分解修理の参考にはならないだろう。

羽根油の再発は時間の問題なので、動いているうちに数枚試写して終わりにする。機会があれば破壊覚悟で強引に分解してみようと思う。


試写:

(blogの試写


(2017/10/7)
初稿


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トップカバーの分解

まずはトップカバーを外す。矢印のリングネジを回して外すが、引っ掛かりがないのでゴムアダプタで回す。固い場合は傷つけ防止にゴムでカバーしてペンチなどで回す。



黒いレリーズボタンを引き抜く。



板バネリングを外す。裏表があるので注意。



巻き上げレバーを外す。



スペーサーリングを外す。



フィルム室の巻き戻し軸を箸などで固定し、巻き戻しクランクを反時計回りに回して外す。



クランクの下にワッシャーがあるので外しておく。



トップカバーのネジを写真の2箇所と、



この1箇所を外す。これでトップカバーが外れる。



外したところ。カバーの裏の①に劣化したモルトがあるので張り替えておく。②のシンクロ関係の金具にもモルトのカスがあるので清掃しておく。

シンクロ関係で、トップカバーと本体は接点で接続されており、ハンダを外す必要はなかった。ユニット化されており、メンテナンスしやすい印象。

③のレリーズボタン軸、④のスペーサーを抜いておく。

⑤のファインダーカバーは丸印のところで軽く接着されているだけなので、慎重に剥がして外す。



ファインダーカバーを外したところ。矢印で示したハーフミラーの接眼側の面は蒸着がある。カメラによるが、拭くと剥がれる場合があるので注意。拭く必要がある場合は、影響がない端の方で試してみて、蒸着が剥がれないのを確認してから慎重に行う。



底部の分解

前盤を外すため、先にボトムカバーを外す。丸のネジ2つで外れる。




電池蓋と板バネを外しておく。



前盤の分解

前盤の革を剥がす。2ヶ所、赤で囲った辺りをレンズ側からヘラなどで慎重に剥がしていく。強く接着されており、エタノールでは剥がすのが難しかった。下地は金属なのでアセトンを使った。



左側の革を剥がすと、外すべきネジの上に、一部重なるように「QL」のロゴプレートが接着されている。そのためこのプレートも剥がす。ヘラで無理に剥がすと変形するので、なるべくアセトンで接着を溶かしてプレートに負担をかけないようにして剥がす。



右側は距離リングの取っ手が邪魔で剥がしにくい。距離リングを回しながらうまく剥がす。



革を剥がすと黒い前盤カバーが現れる。ネジ4つで外れる。



前盤カバーを外したところ。



本体からレンズボードの分離

レンズボードを本体から分離する。まず赤丸の4ヶ所のネジを外す。左下と右上は長いネジ、左上と右下は短い皿ネジ。右下のネジはプレートで隠れており、巻き上げ操作を途中で止めるとアクセスできる。

次に左上の緑丸の枚数計の下のネジ2つも外す。



ネジは枚数計の下にあるが、カウンターがリセット状態だと枚数計円盤に切り欠きがあり、ネジにアクセスできるようになっている。

ネジは下の金具2つを接続しているが、金具の間にワッシャーがあるので注意。



右側矢印の、箸で押しているレリーズプレートを押すと、左側矢印のワッシャーが確認できるので回収しておく。



レンズボードを外す前に部品のリンクを確認しておく。丸のところで距離計窓のピンとレンズ側の部品がリンクしている。レンズ側の部品は距離リングを回すと上下に動き、距離計窓とフレームを移動させる。パララックス補正用だろう。

距離系窓はバネで上から下に向かって常に押されており、このままレンズボードを外すと距離計窓が脱落する。なのでバネのかかりを外しておくといいだろう。

準備ができからレンズボードを本体から分離する。



分離したところ。

ここで中から金色の小さいネジが転がり出てきた。外した覚えがないネジで、全体をくまなく見たが、嵌りそうな場所はなかった。とりあえず保管する。



レンズボードを裏返したところ。本体とレンズ側はビニル線などでは繋がっておらず、赤丸同士の接点でリンクしている。ユニット化されておりメンテナンスしやすい印象。



シャッターが正常な場合は、①チャージプレートを矢印方向でチャージ。②レリーズプレートを矢印方向でレリーズできる。



レンズとレンズボードの分離(失敗)

遮光筒を外すため、筒内部の挟み板を指で押さえながらネジを2つ外す。



筒の内部の挟み板。これを指で押さえながらネジを外す。



次にレンズと内ヘリコイドを固定している矢印の黒いカニ目の押さえリングを外したいが、このリングが固くて外れない。丸のカニ目のスリ割には以前に舐めた跡がある。

CRCはもちろん、錆びたネジ用の冷却スプレー、接着を疑って溶剤も試したが、びくともしない。

両手を使ってカニ目レンチを力いっぱい回したいので、レンズボードはちょうど合う木枠を作成して固定することにした。これが失敗の始まりだった。以降の記事は単なる失敗の記録なので真似しないでほしい。



舐めたときのことを考え、後群レンズを外しておく。丸印のカニ目で外れる。



レンズボードに力がかかるため、周りの弱そうな部品を外しておく。ブラシの接点(2つに分離する)をネジ2つで外す。ビニル線のハンダも外しておく。前側が白で、後ろ側が黄色。

接点には絶縁用の透明のプラスペーサーが3枚あるので注意。ネジと接点、接点と接点、接点と取付部、の3つ。

写真は直進キーが外れているが気にしないこと。



メーターユニットを外す。かかっている引きバネ2つを外しておく。メーターユニットを分離してからのほうが外しやすいので、後でもよい。



丸のネジ2つ外す。矢印2ヶ所のリンクを確認しておく。



裏側の線押さえ金具のネジがメーター取り付けネジも兼ねているので外す。後はビニル線のハンダを外せばメーターユニットが外れる。

メーターは強力な磁石なので、ネジなどを落とした場合、内部に吸い込まれて取り出せなくなる可能性があるので注意。




メーターユニットを外したら、次はレリーズプレートも外しておく。矢印のリンクを確認してから、丸のネジ2つで外れる。



外したところ。これでレンズボードを木枠で固定する。



固定したレンズボードに片手でカニ目レンチを押し付け、もう一方の手でカニ目レンチをプライヤーで掴んでテコの原理で回した。

一瞬、回ったように感じたが、恐らくカニ目のスリ割が広がっただけだったのだろう。すぐに「バンッ」と大きな音がして、押さえリングの縁が割れてしまった。もうスリ割は痕跡すら残っていない。今までも部品を壊してきたが、今回のは致命的だ。修理不能のジャンクを作ってしまったかもしれない。

ミニルーターを使えば新しいスリ割を作ることはできるが、同じことの繰り返しになるのでやめておく。



レンズ後ろ側からの分解(失敗)

内ヘリコイドからレンズを分離するのは諦め、とりあえず直進キーを外してみる。上下ともネジ2つで外れる。



上側は直進キーの下にスペーサーがあるので回収しておく。

更に中ヘリコイドを固定している黒いカニ目の押さえリングを外すと、レンズボードからレンズが中ヘリコイドごと外れる。



外したところ。レンズボード側にメーターや説明の都合上、レンズボードにはメーターとレリーズプレートは取り付けてある。

リンクを確認しておく。①はチャージリングのアームで矢印方向でチャージする。レンズボードのチャージプレートの切り欠きに嵌まる。

②は距離伝達ピン。写真は無限遠で、近距離にすると矢印方向に動き、レンズボードの距離伝達プレートを下から押す。写真の状態では距離伝達プレートは下に下がっているので、そのまま取り付けようとするとピンとプレートが干渉する。なので、取り付ける時はレンズを無限遠にし、プレートを上げて(最短側にして)から取り付ければ良い。

③はレリーズピン。矢印方向でレリーズする。レンズボード側のレリーズレバーの写真左側に入る。

④はオート絞りピン。矢印方向で絞り込む。メーターの絞り制御アームの上側に入る。

なお、中・外ヘリコイドにはネジ山がなく、単に筒同士が滑るだけの仕様になっている。



参考までに、中ヘリコイドごとレンズを外したレンズボード。



距離リングを外そうと、サイドの矢印3つのイモネジを緩め、調整ネジも外した。しかし後ろ側にはリングの溝とヘリコイドのレールが干渉して抜けず、前側もセルフレバーが邪魔で外せない構造だった。



ヘリコイドの開口部からネジの頭が見えている。距離リングを回しながら覗くと、丸印の3ヶ所にネジがあるらしい。ヘリコイドの開口部を一部削ってしまえばネジにアクセスできそうだ。恐らく矢印のオート絞りピンの固定ネジも外す必要があるだろう。

前側から分解した時にわかったのだが、これがシャッターユニットを固定しているネジらしい。外してみたいが、取り返しがつかない可能性が大きいので、後ろからの分解はここで諦める。



レンズ前側からの分解(失敗)

前側から分解を試みる。

まずカニ目の押リングを外す。リングの周りは傷だらけで、以前に分解されたのは明らか。竹串で回った。



黒い銘板がそのまま外せる。



銘板の下に黒い円盤があった。丸印のところにCdSに入る光量を調節する穴がある。しかしこの円盤を回転させるような機構が見当たらない。

矢印に穴があるが、何も嵌っておらず意味をなしていない。①は速度リングと一緒に動くピンで、この穴に嵌りそうな気がする。



試しに円盤を裏表逆にしてみると、うまく穴にピンが嵌った。速度リングに合わせて回転し、CdSへの光量を調節する部品だった。以前の分解者のミスだろうが、いくらなんでも酷い。今回も人のことは言えないが。



光量調整円盤を外すと①速度リングが露出する。「45.2」とあるので、昭和45年2月の製造と思われる。

このカメラは速度をBにするには、②Bボタンを押しながら速度リングを回す必要がある。写真は1/4で、Bにするためにリングを回そうとすると、(1A)が矢印方向に回ろうとするが、(2A)に当たって動けない。②Bボタンを押すと(2A)が矢印方向に逃げてリングが回るようになり、Bに設定できる。

次に前群レンズを外しておく。カニ目で回せる。ここにも舐めた跡がある。



外したところ。

絞り羽根が露出した。F1.7にしてから上からベンジンを少量垂らしたが、反応なし。しかし竹串で軽く押すと、やや抵抗があるものの全開にすることができた。

絞り羽根を開くとシャッター羽根が露出した。こちらもベンジンを垂らしたが反応なし。ブロワーで乾かしてからベンジンを垂らす、を何度か繰り返すと、突然セルフタイマーが動き出し、シャッター羽根が開閉してシャッターが切れた。

試しにチャージしてレリーズしてみたが、今度は動かない。再度ベンジンを垂らすと、再びシャッターが切れた。綿棒で羽根を拭いてみると、油で茶色に汚れていた。かなりの油が回っているらしい。

絞り羽根も同じで、スムーズには開閉しない。なお、このカメラは絞りリングを回した際、絞り込む方向はリアルタイムに羽根に反映されるが、開く方向はチャージした際にしか羽根に反映されない。



やはり分解洗浄したいのでネジを外していく。

CdSのネジ2つと(写真は既に外してある)、フィルター台座のネジ3つを外す。CdSの周りのプラスチックカバーは割れていたので、接着剤(コニシ/ウルトラ多用途SUクリヤー)でくっつけておいた。恐らく以前の分解者がネジを締め込みすぎて破損したのだろう。



フィルター台座を外すと、黒い速度リングも外れる。速度リングは高速側だと引っかかって抜けにくいので、低速側にしてから外す。



速度リングの①のプレートは②の奥にある切り欠きに嵌まる。②の位置は速度により変わる。写真はB。

③ISOリングはそのまま外れる。



①ISO指標リングが現れる。外したISOリングの裏側にはブラシ抵抗体がある。③スライド切片と接触して可変抵抗になるのが分かる。

③スライド切片は①の下にある絞りリングに固定されており、絞りリングと共に回る。写真はF1.7で、Aにすると矢印方向に回り、③の一部(3A)が④のオート接点に接触し、オートの機能が働くようになる。

①ISO指標リングを外したいが、③スライド切片が邪魔。丸のネジ2つを外す。

なお、⑥のビニル線押さえ金具の下には絞りリングのクリック用の鋼球があるので注意。

⑤はCdSの1極でボディで通電する接点のようだが、これを固定するネジがない。試しにレンズボードを分離した際に転がり出たネジを入れてみると、うまく嵌った。以前の分解者が締め忘れたのだろう。



次に基盤を外す。先に上の①ビニル線押さえ金具のネジを緩めて線を外し、②鋼球を回収しておく。鋼球が取りにくい場合はセロテープを使えばよい。

次に基板のハンダ3箇所とネジ2つを外す。



ISO指標リングはネジ3つで外れる。下2つは皿ネジ。上のネジはCdS接点を固定していたもので、既に外れている。



絞りリングが現れる。そのまま外れる。



シャッターユニットの外側と思われる部分まで到達したが、これ以上は外れない。見えているネジは全て外してみたが駄目だった。

丸印3つの奥に、反対側から固定されているネジの頭が見える。恐らくヘリコイド側から見えていたネジだろう。やはりヘリコイドからレンズユニットを外さないと分解できないようだ。

無念だが、分解はここまでとする。

この状態でシャッターと絞りを裏表からベンジンで拭き、ブロワーで乾燥する、というのを1日数回、1週間ほど繰り返すと、シャッター、絞り共になんとか開閉するようになった。だが、1日経つとまた羽根の動きが遅くなった。拭いた直後は概ね動作するが、速度1/4は動きが悪く、不安定。この速度だけスローガバナーが働くらしい。セルフも途中で止まりそうな動き。外側からの清掃もこのくらいが限界だろう。

とりあえず動いているうちに試写することとし、組み立て直した。



組立時の注意

メーターを外した場合は、①オート絞り制御アームが②オート絞りピンの下側に来る必要がある。マニュアルモードでは②が動かず組みにくいので、絞りをAにしてから②を移動させ、テープなどで固定して組み立てるとよい。



直進キーは上下とも微妙に取り付けシロがある。位置が悪いとキーがヘリコイドにあたってしまい、距離リングの動きが重くなるので注意。



モードがAの時、電池がないときや、電池が入っていても輝度が制御範囲外の時は③が矢印に移動してレリーズロックが掛かるようになっている。このロックが稀にマニュアルモードでかかってしまうことがあった。

Aだとレンズの②オート絞りピンのロックが外れ、メーターの①で制御されるようになる。②は常に矢印方向(ボディ下方向)に力がかかっており、通常は一番端に位置している。この状態でマニュアルモードにすれば②がロックされるのだが、微妙に①が邪魔して②が端まで移動できないと、マニュアル状態なのに②のロックがかかない。するとメーターの①が②を押して移動できてしまい、③も矢印方向に移動してレリーズロックがかかってしまう。

原因は先程の直進キーの取り付けシロ。取り付けシロの内、前から見てレンズが反時計周りに回転した場所だとこの現象が起こるようだ。時計回り方向にすると②が①に当たる角度が微妙に浅くなるため、この現象は起こらなくなった。

この不具合だが、あとで考えると、強引にレンズ押さえリングに力をかけた際に、直進キーが微妙に変形した可能性が考えられる。



メカニズム

レンズボードの仕組みを説明する。うろ覚えの部分があって自信はない。

①はチャージプレートで、矢印方向でチャージする。①にはレンズ側のチャージ部品がリンクしてある。

②はレリーズプレートで、矢印方向に押下でレリーズする。押下中に(2A)が③レリーズレバーを押すと、③がリンクしているレンズ側のレリーズピンを動かす。

ここからは速度優先オートの動き。④はレンズ側のオート絞りピンで、マニュアルではロックされており動かないが、オートになるとロックが解除される。常に開放、点線矢印方向に力がかかっており、実線矢印方向に動くと絞り込む。

⑥はメーターの針で、ファインダーから見えている頭側。この反対の尻側は(6B)にあり、CdSに入る光量によって弧の溝を移動する。

メーター部品⑤はノコギリの歯のような段カムで、絞りをコントロールする。⑤の一部(5B)が(2A)とバネで繋がっており、常に矢印方向の力がかかっているが、レリーズ前は(5B)が(2C)に阻害されており動かない。レリーズで(5B)が動くと、一緒に⑤も動く。動くのは⑤の段カムが(6B)メーター針尻側に当たる位置まで。すると同時に(5A)も動く。(5A)は④オート絞りピンを押して移動させる。つまり絞りを絞り込む。つまり、⑤がメーター針の位置に応じて動く距離だけ、④を押して絞り込むようになっている。マニュアルでは④がロックされているので(5A)は動けず、同時に⑤全体も動けない。

⑦は斧のような形をしたメーター部品で、レリーズロックの役割。⑧が常に矢印方向に力がかかっており、これに(7A)が押されている。そのため、⑦も矢印方向の力がかかっている。しかし普段は(5C)に阻害されているので、⑤が動くまでは動かない。⑦は⑤と同じく(6B)に当たるまで移動する。当たればそこで止まるので、⑧の動きもそこで止まる。しかし、光量が多すぎたり、少なすぎたりしてメーター針が振り切っている場合、もしくは電池がない場合、(6B)は溝のどちらかの端まで逃げてしまい、⑦は(6B)に当たらないので途中で止まらず、限界まで移動する。すると⑧も大きく移動することになり、反対側の(8A)も大きく移動し、(2B)に引っかかってレリーズを阻害する。



レンズユニット側はシャッター部分までは分解できていないので、分かっているところだけ。

写真はISO指標リングまで分解したところ。①はレンズ裏側のオート絞りピンと連動して動き、②のオート絞りプレートを押して絞り込む。写真はマニュアルで、③が①を阻害しており①にはロックがかかった状態。ISO指標リングの下にある絞りリングを回すと、(3A)の裏側にあるピンが押されて③が矢印方向に逃げ、①のロックが解除される。



ISO指標リングを外し、③絞りリングまで分解したところ。

①は絞り羽根を開くためのプレートで、常に矢印方向に力がかかっている。しかし普段は⑦が実線矢印方向に強い力がかかっており、写真ではわかりにくいが丸印のところで絞り羽根が開くのを止めている。⑦はチャージすると微妙に点線矢印の方へ逃げるので、その瞬間に①の力で絞りが開く。マニュアルでもチャージしないと絞りが開かないのはこの機構による。

②はマニュアル絞り制御ピンで、③絞りリングを絞り込む方向(矢印方向)に回すとカム(3A)が②を押す。すると(2A)が④マニュアル絞りピンを押して絞りを絞り込む。

(5A)はオート接点で、③を回してAになると、(3B)が(5A)を押す。すると(5B)が矢印方向に移動して⑥接点をショートする。写真では③絞りリングの取付が悪く、③が(5A)を踏んでしまっている。