Olympus Pen F G.Zuiko Auto-W 20mmF3.5の修理

遺品。絞りの動作がわずかに鈍いこと以外は問題ない。古いものなので、念のためグリスを交換する。

試写

未試写

(2021/00/00)
初稿


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分解

初期状態は無限遠、絞り開放としておく。

セオリー通り、社名環をゴムアダプタで回して外す。フィルター枠が後ろからバネで押されているのでゆっくり外す。



フィルター枠がそのまま外れる。



フィルター枠は丸印同士でリンクしていた。

絞り指標環(クリック環兼用)がそのまま外れる。Aの下に鋼球があるので注意。



Aの鋼球を回収しておく。この個体は鋼球が貼りついて外れなかったので後回しにした。

絞り指標環は丸印同士でリンクしていた。

次に絞り環がそのまま外れる。



絞り環の後ろ側に、丸印とリンクする場所がある。



絞り環を裏返したところ。丸印の切り欠きが先ほどのリンク位置。切り欠きはTTL番号側と絞り値側の2カ所ある。

絞り環が汚れているので更に分解する。矢印の押さえリングを回して外す。内部にバネがあるので注意。



押さえ環を外したところ。丸印の位置にバネがある。裏から鋼球を押している。

更に2つに分離する。内部のバネに注意。



丸印の位置にバネがある。先ほどのバネより小さいもの。

Aの穴は鋼球があった裏側。この穴から竹串を差し込んで鋼球を取り出した。少し錆びていた。

バネにはわずかにグリスが塗られていた。全体を清掃し、グリスを塗って絞り環を組み立てておく。



カニ目を回して鏡胴から前群レンズを分離する。





内部は特に問題ない。絞りはスムーズに動く。

組み立て時、矢印の部品がカムに踏まれたり乗り上げたりしていないか確認する。



後ろから分解していく。

マウント環を外す。ネジ×3。



組み立ての際はマウント環の写真裏側にあるレバー(次の写真で示す)を、丸印の位置に差し込む必要がある。



マウント環を裏返した。Bがそのレバー。

絞りの動きが悪いのは、マウント環の内部が汚れているのが原因だった。清掃し、鍵穴のクスリを塗るとスムーズに動くようになった。



先ほどのレバーBは丸印の位置に差し込む。絞り開放だとCが右に来て差し込めないので、絞り最小にしておく。



内ヘリコイドから絞りユニットと後群レンズを分離する。後ろ側からネジ×3を外す。



直進キーを外す。ネジ×2。

必要なら2枚あるレンズを外して清掃しておく。最後尾のレンズは後ろ側が凸。前側のレンズは後ろ側が凹。



次に距離環を外す。セットネジ×4。セットネジの1つを外したら念のため位置を記録しておく。ネジ穴から赤いマーカーの先を突っ込んで色を付けておく。

なお、Cは無限側制限ネジ。反対側に最短側制限ネジがある。このネジは外さなくてよい。





1:外、2:中、3:内の各ヘリコイドの無限位置を記録する。今回は外ヘリコイドの無限制限ネジの左側を基準にした。

内ヘリコイドは側面に罫書く場所がなかったので、後ろ側に罫書いた。

丸印に先ほど距離環のネジ穴から色を付けた部分が見えている。ヘリコイドの洗浄で色が消えるので、小さく罫書いておく。



外ヘリコイドと中ヘリコイドを分離していく。内ヘリコイドは動かさない。

中ヘリコイドを右に回して締め込む。



90度くらいで止まった。外ヘリコイドの無限罫書きに合わせ、中ヘリコイドに終端を表す2本線で罫書く。組み立て時はこの位置が合うことを確認する。

無限位置に戻したら、中ヘリコイドをゆっくり左に回して抜いていく。



3回転ちょうどか、直前くらいで抜けた。外れ位置は無限位置から3回転ちょうどくらいなので、無限ケガキが外れ位置になる。

組み立て時はこの位置からヘリコイドを入れる。



次に内ヘリコイドと中ヘリコイドを分離していく。

内ヘリコイドは前後どちら側にも抜けるため、終端位置がない。後ろ側がツライチになるところを終端位置とする。

そままでは内ヘリコイドが後ろ側に出ているので、一旦内ヘリコイドを少し右に回して前側に移動し、平らな机の上に置く。

内ヘリコイドを左に回して締め込み、机に当たって止まったところを終端位置とする。中ヘリコイドの無限ケガキに合わせ、内ヘリコイドに終端を表す2本線で罫書く。組み立て時はこの位置が合うことを確認する。

次に内ヘリコイドを右に回して抜いていく。



ちょうど1回転で外れた。外れ位置は無限位置から1回転ちょうどなので、無限ケガキが外れ位置になる。組み立て時はこの位置からヘリコイドを入れる。

後は全体をベンジンで洗浄し、新しいグリスを塗って組み立てる。グリスはジャパンホビーツールの#30を使用した。


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