GIMP用のフィルタースクリプトです。
カラーネガの画像からオレンジマスクの色を除去して反転し、ポジ像に変換します。
ネガの画像がraw現像済み画像ファイルしかなく、フィルムが残っていない場合には有用でしょう。フィルムが残っている場合は、rawで撮影の上、darktableのnegadoctorモジュールでの反転をお勧めします。
Windows10(ver.2004)のGIMP 2.10.22で動作確認しています。
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スクリプトファイル(*.py)をGIMPの個人設定フォルダ内にある「plus-ins」フォルダにコピーしてください。Windows10でドライブ「C」、ユーザー名「user」、GIMPバージョン「2.10」の場合は次のフォルダです。
C:\Users\user\AppData\Roaming\GIMP\2.10\plug-ins
GIMPを起動すると、メニューに項目が追加されます。
「フィルター」→「Python-fu」→「Negative film inversion」
スライドコピーアダプター(フィルムデジタイズアダプター)などを使用してデジタルカメラでカラーネガフィルムを撮影し、PCにコピーしてください。
カメラの設定は、色を忠実に再現するスタイルにします。一般的には「ナチュラル」や「ニュートラル」といった設定になるでしょう。ホワイトバランスは、照明で照らしたアダプターの乳白板の色を取得し、固定ホワイトバランスにします。
露出は、平均的な被写体のコマが適正露出になればいいでしょう。複数のコマをまとめて反転する場合は、同じ露出で撮影してください。
自分個人用に作成したスクリプトなので分かりにくいと思います。厳密なエラーチェックはしていないので、極端な値を設定すると落ちるかもしれません。
大まかな使用方法のみ説明します。
オレンジマスクの除去方法が「Curve mode」で指定できます。デフォルトは「Default」ですが、通常は「Auto」を使用します。
「Auto」はネガフィルムの「未露光部」「高輝度白色被写体」「中間グレー被写体」の3色からカーブを作成します。各色はGIMPの前景色、背景色、および「Middle gray subject」に設定します。
GIMP前景色 | 未露光部(明るいオレンジ色) |
GIMP背景色 | 高輝度白色被写体もしくは完全露光部(暗い茶色) |
「Middle gray subject」 | 中間グレー被写体(オレンジ色) |
「Middle gray subject」を設定する際、手元の環境では、スクリプト側のスポイトでは正確な色が取得できません。事前に中間グレーのRGB値を取得しておいて、手動で書き写しています。
「Manual」は手動でカーブ値を設定するモードです。「G curve value」「B curve value」で緑と青のカーブ値を指定します。値が大きいほど反転後のポジ像で緑、青が減衰します。このモードでは、「Auto」と同様に未露光部の色を前景色に設定してください。オプションとして白色被写体の色を背景色に設定できます。背景色を有効にするには「Use BG color」を「する」にしてください。「Default」は標準の固定カーブを使用します。
「Output log to Error Console」が「する」の場合、使用したカーブ値やスプライン曲線の点列をエラーコンソールに出力します。
「Invert all open images」が「する」の場合は、GIMPで開いている画像すべてを同じ設定で処理します。
「Save File(s)」が「する」の場合は、反転したポジ画像を「Sub directory name」で指定したサブディレクトリに保存します。
「OK」でスクリプトが動作を開始します。通常はコントラストの低い暗めの画像になるので、適宜修正してください。