Metraphot露出計の修理

遺品。

初期症状:

修理の結果は良好で、スムーズに針が振れるようになった。


(2017/11/18)
初稿


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分解

ネジを3つ外す。右側のダイヤル窓に見えるのネジは、感度ノブを回してASA25辺りにすると現れる。

ネジは3つともバラバラで、右側は長い皿ネジ、左上は短いネジ、左下は中くらいの長さのネジだった。左側の2つのネジの長さの違いは、単に製造のバラツキと思われる。

これでダイヤル部を含む上盤が外れる。



上盤を外した。更にネジ4つ外すと上カバーが外れる。

この時、上カバーの窓の接着が外れた。清掃後、透明接着剤で軽く接着しておいた。



メーター部が露出した。上カバーは本体からの板バネで押さえられているので、外すのには少し力が必要。固くて外れない場合は底蓋を外して隙間から板バネを押しながら外す(後述)。

メーターコイル付近を軽くブロワーで吹くと、針の動きがスムーズになった。ホコリでも引っかかっていたのだろうか。

ブロワーで吹く際は、ヒゲゼンマイを傷めないよう慎重に行うこと。ヒゲゼンマイは小さい力で簡単に変形し、切れてしまう。



底蓋を外す場合。先にシューアダプタを外す。ネジx2で外れる。写真のものは当然オリジナルのネジではない。オリジナルのネジは残っていなかったので、M2x4の皿ネジで適当につけた。



底蓋はネジx4で外れる。矢印はゼロ点調整用。



矢印の隙間に板バネがあるので、細いドライバーを差し込んで押さえれば上カバーを外しやすいだろう。

なお、写真でゼロ点調整ネジの周りに見えている黒い塗料が塗られたネジx3は、メーターユニット固定用なので外さないこと。



センサー窓の清掃

センサー窓を外すには、黒いカバーを外す必要がある。ネジ4つで外れるが、右側は針の制限部品とメーター接点も固定しているうえ、すぐ横にメーターの強力な磁石があるので、緩めるだけにしておく。緩めた際に接点がメーターコイルに吸い付けられるので注意。組立時は針制限の角度を元通りに調整すること。

カバーを外す際、そのまま外すとセンサーの前にあるパネルが跳ね上がって来る。パネルがメーター針に当たると損傷するので、パネルを操作するレバーを倒しながら慎重に外す。



カバーを外した。センサー窓はそのまま上に引き抜くと外すことができるので、単体で清掃できる。



組み立て時、上カバーのネジを締めすぎると丸印の部分で拡張用の接点と接触してしまう。接触すると針が振れなくなるので注意。