minolta HI-MATIC 7の修理
- 巻き上げレバー戻り不全の修理

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とりあえず底部カバーを外す。ネジ2つで外れる。



開けたところ。原因はすぐわかった。巻き上げレバーでチャージすると緑矢印のギアと、その上に乗っている赤矢印の円筒形の部品が時計回りに回る。手を離すと巻き上げレバーは戻るはずだが、円筒部品とギアとの滑りが悪いのか、自動で戻らない。

指で赤矢印を点線矢印方向、反時計回りに回してみるとレバーが戻った。この部品を外してギアとの滑りを良くすればよいだろう。



円筒部品は横からセットネジで固定されている。レリーズ状態ではボディが邪魔で外せない。



半分だけ巻き上げて円筒部品を回転させると、ちょうどネジにアクセスできる位置になるので、巻き上げレバーを固定しておいてセットネジを緩める。このネジは固かったので、CRCをつけて15分ほどおいてから緩めた。



円筒部品を外した。これもかなり固く、CRCをつけて1日おいても外れなかったので、ネジザウスルで強引に外した。スリ割をかなり痛めた上に、円筒のサイドも傷つけてしまった。もっと慎重にやるべきだった。

円筒部品を外すと、滑りやすくするためか、下に薄いワッシャーがあった(赤矢印)。オイルのようなものは何もなかったので、ここに手持ちのシリコングリスを塗った。組み込むと巻き上げレバーは戻るようになったが、ゆっくりとしか戻らない。

ワッシャーを外してみるとうまく動作し、これでしばらく使っていたが、考えてみると元々はワッシャーありが正常な状態だろう。再度分解し、ワッシャーを入れ直してドライ系のパウダーを塗った。『鍵穴の薬』という、鍵の動きを改善するためのスプレーを使った。直接スプレーを吹いたのではなく、適当な瓶にスプレーしてしばらく置き、乾燥した後の粉(説明書には『ボロン(窒化ホウ素)』と書かれている)を綿棒で塗った。するとレバーが素早く戻るようになった。


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