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裏蓋を開けてドライバーを巻き戻し軸の先にはさみ、巻き戻しクランクを反時計回りで外す。
カニ目ネジを台座から外す。中心の棒からは抜かなくていい。カニ目ネジの内側には鋼線があり、棒からは外れにくいようになっている。
指標の位置を大まかに記録し、カニ目ネジを浮かせながら丸印の台座のネジ3つを外す。
外したところ。カニ目ねじは邪魔なら外しておいてもよい。外すと巻き戻しの芯棒がフィルム室内に落ちるので回収しておく。
巻き上げレバー上のフィルムカウンターのカバーを外す。側面の「セットネジ」3つを緩めれば外れる。
「セットネジ」とは、ネジの頭の部分がなく、ネジの螺旋部分の最後に直接ドライバーが噛み合う溝(スリ割)が彫られているネジのこと。「イモネジ」ともいう。セットネジは一般的に、ネジを締め込み、ネジの先端で部品を押し、固定するために使われる。
フィルムカウンタ表示盤の中央のネジを外す。逆ネジ(Left-Handed)注意。逆ネジは反時計回りで締め込み、時計回りで外れる。
表示盤を外したところ。フィルムカウンターギアの突起の位置を記録。この突起が表示盤の穴に嵌まる。
ギアを外す。持ち上げれば外れる。
カウンターギアを外したところ。
写真のギアは裏側。組み立てるときはギアの青丸のピンが、本体側の青丸の位置になる。ただしギアの穴と紫矢印の軸の形状の関係上、そのまま嵌めるとピンが元の位置に嵌まらない。軸はバネの力がかかっているものの弱い力で回転させることができるので、一旦そのままギアを嵌め、軸にギアの穴がはまったままギアの端を少し浮かしてピンが所定の位置に来るように反時計回りに回せばよい。
次に水色矢印のカニ目ネジを外すが、その前に赤矢印の部品のかかり方を確認しておく。
本体から出ている緑丸印のピンは、カウンターギアにかかる爪を無効化するためのもの。裏ぶたを開けるとこのピンが写真下方向に移動して爪をギアから外す。するとギア軸にかかっているバネの力でギアが周り、カウンターがリセットされる。裏蓋内のモルトがある溝の緑矢印あたりにこのピンと連動するボタンがある。裏蓋自体に突起があり、裏蓋を閉めるとこれがボタンを押すようになっている。
準備ができたらカニ目ネジを外す。
カニ目ネジを外したところ。次に赤で囲まれた部品を外すが、バネがかかっているので跳ねないよう注意。この部品は巻き上げレバーと連動して動き、先程外したカウンターギアを反時計方向に回す役目。カウンターギアが回ると、台座についている小さな逆転防止ラチェットがギアに噛み合い、ギアが戻るのを防止する。
ラチェットを組み立ててカニ目をねじ込む際は、カニ目の裏にラチェットの穴が嵌まる場所があるのでそこに入れること。
外したところ。次に黒い台座を外す。持ち上げれば外れる。外しにくい場合は台座上のラチェットを少し下に動かしてストッパーから外せばよい。
組み立ての際、台座は微妙な角度の遊びがある。うまくラチェットがカウンターギアに噛み合うような位置でカニ目ネジを締めること。噛み合いが甘いと、写真で外している部品の爪が滑ってギアがうまく進まない。台座が遊びの内、反時計回りいっぱいに回ったところだと、台座についたラチェット(カウンターギアの逆転防止)がうまく噛み合わず、カウンターギアが戻ってしまう。
また、この後で外す巻上レバーも若干の遊びがあり、取り付け位置が悪いとカウンターが滑って進まなくなる。時計回り方向に押し付けた状態で取り付けるとこの不具合が発生するようだ。
矢印のネジで固定されている金具は取り付けシロがある。カウンターギアを送る爪の戻り位置の調整はこの金具で行えるようだ。
赤丸のネジ2つを外すと巻き上げレバーが外れる。緑矢印のワッシャーも外しておく。このネジは緩みやすいので、組み立ての際は緩みドメを塗っておくとよい。
フィルムカウンタから巻き上げレバーまでの外した部品。一番下のワッシャーは間違えて裏返した状態で置いてしまった。
速度ダイヤルを外す。速度を写真の位置に合わせ、側面矢印のセットネジを緩める。
ダイヤルを外したら速度は変更しないこと。元の位置が分からなくなる。誤って変更した場合は、60と30の間に「x」があり、ここだけ回転させたときのクリック感の間隔が短いので、それを参考に元に戻す。
なお、写真では速度「1」で分解しているが、一般的には「B」にしておくらしい。
ネジ4つを外せばトップカバーが外れる。ネジは上部と背面で違うので注意。上部の方がネジ頭が平らで大きい。
トップカバーを外すとシャッターボタンが落ちてくるので注意。
トップカバーを外したところ。緑矢印のシャッターボタンは乗っているだけなので外しておく。ボタンは金具2つに分離するので注意。
プリズムは黒いプラで保護されている。丸印のネジ3つを外せばプリズムユニットが外れる。
なお、青矢印で示した黒い円形の部品はシャッターチャージ用のゼンマイユニット。これは固定されていないので外れないようにする。水色矢印のピンにゼンマイの先端が嵌っている。ゼンマイが外れてしまうとゼンマイを巻き直して組み立てる必要があるので注意。
プリズムを外したところ。接眼部などは後で清掃する。
プリズム下の金属枠やコンデンサーレンズ(凸型の集光レンズ)、フレネルレンズ(表面がギザギザのレンズ)などを外す。柔らかい布を上から当て、カメラを逆さまにして落ちてくる部品を受け止める。
上から金属枠、コンデンサーレンズ、フレネルレンズ。金属枠、コンデンサーレンズは上が凸。フレネルレンズは上側がギザギザ面。
通常は矢印の受金具もフレネルレンズ一式と一緒に落ちてくるが、今回は落ちてこなかったので持ち上げて外した。
ネジ4つを外せばマウント部が外れる。マウント部の裏にはスペーサーがあるので、落とさないよう、カメラ背面を下にして作業する。
マウント部を取り付ける際、そのまま嵌めようとすると矢印の自動絞り伝達プレートが干渉するので、これを前側(写真手前)に引きながら取り付けること。
丸印がスペーサー。これらを外しておく。4つとも同じ厚みのようだが、組立時は念の為、元あった位置に取り付ける。
ここでレバーと速度ダイヤルを仮付けした。実際はトップカバーを外した時点でやったほうがいい。
写真のレバー部は、レバーとワッシャーのみ仮付けしているが、この状態ではレバーと下のゼンマイユニットが繋がっているだけなので、レバーを不用意に操作するとゼンマイユニットごと外れてしまう。ゼンマイが外れないように注意しながら操作すること。
ミラーボックスのネジが底蓋内にあるので底蓋を外す。ネジ4つ外す。端の2つと中央の2つは違うネジで、端の方が大きい。
矢印の巻き戻しボタンのプラスペーサを外しておく。写真はレリーズ状態。各ギアなどの状態を記録しておく。
チャージ状態。赤丸のネジ2つがミラーボックスを止めているので外す。左側のネジはチャージしないと見えない。
次にミラーボックス内の「スローガバナー」を外すが、その前にスローガバナーと本体のリンクを確認しておく。なお、スローは1/15~1''で使用される。
矢印の黒い箱がスローガバナー。丸がリンクしている部分。写真ではわかりにくいが、本体から出ているピンが、スローがバナーの爪の間に入っている。
なお「スローガバナー」とは、シャッターで1秒、1/2秒などの低速を実現するための機構。「スローギア」とも呼ばれる。ギアをいくつも組み合わせて、レバーなどがこの抵抗を受けながらゆっくり移動するようにする。
スローガバナーをとめているネジは底蓋内にある。スローガバナーを指で抑えて落ちないようにしながら赤丸のネジ2つを外す。
なお、ネジ穴は左右に長細く、取り付け位置を調整できるようになっている。取り付け位置でスローの速度を調整でき、右側は高速に、左側は低速になる。組み立ての際に調整すること。ただしやりすぎると動作しなくなる場合があるので注意。
再度、本体とスローガバナーのリンクを確認しておく。赤丸のピンが、
スローガバナーの爪の間に入る。レリーズするとピンが爪を写真下方向(レンズ側方向)に押し、スローガバナーの抵抗を受けながら時間をかけて移動する。端まで行くとピンが爪から外れ、爪は一瞬で元の位置に戻る。
ピンが爪に深く(右側に)入るほど抵抗が大きくなり、スローが低速になる。
スローガバナーは、必要なら幕の接着待ちの間にでも洗浄しておくとよい。
リード線のネジ2つを緩め、リード線を外す。線を外したら紛失防止でネジを締めておく。
トップカバー側のネジ2つ外す。これでミラーボックスが外れるが、外す前に本体とのリンクを確認しておく。
底部。赤矢印の黒いレバーはミラーボックスから出ているもの。それが緑矢印の本体側の銀色のプレートとリンクしている。
黒いレバーはミラーチャージ(ミラーを跳ね上げるバネをチャージする)の役割で、これを銀色のプレートが写真下方向に押し、その右の鎌型の部品がレバーを引っ掛けて止める(係止する)とミラーチャージになる。
赤矢印のミラーボックス側の部品と、黄矢印の本体側部品のリンクを確認。
写真を撮り忘れたが、緑矢印のミラーボックス側部品も、速度ダイヤルの近くで本体側部品とリンクしている。
リンクが確認できたら、ビニル線を引き抜きやすい形にしてミラーボックスを外す。基本は上方向に外すが、いろんな部品が引っかかって外れにくい。前盤方向に斜めに揺らしながら引き抜くのがコツ。ビニル線は断線しないように適宜調節しながら引き抜く。
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