
B, F3.5, レリーズで分解開始。 後で分かったが、F22で分解を開始したほうがよい。
ネジを外す。トップカバーの角がへこんでいる。

ネジを外す。反対側も角がへこんでいる。 過去に落下等の衝撃が加わったものと思われる。

カニ目ネジを外す。

巻き戻しモードレバーのカニ目ネジを外す。

ネジとレバー、その下のワッシャーを外した。

軸を引き抜きたいが、内部でバネBが右から軸を押しており、軸の段に引っ掛かって抜けない。 軸をよく見ると、円柱状の段に平らな面Aがある。 軸を回して平らな面をバネ側(右側)にすると、軸を引き抜ける。

引き抜いた軸の後ろ側。突起がある。 後でわかるが、この突起が巻き戻しモードと撮影モードを切り替えていた。
軸は全体が黒いグリスで汚れている。

巻き戻しレバーを外していく。 カニ目ネジ。

ネジ×3

トップカバーを上に引き抜てい外す。
矢印は巻き上げギアで、ここでは動かないと思うが、念のため角度を記録しておく。

トップカバーを外す途中。
丸印のフォーク状部品の位置に注意。 この部品はレンズ収納ロック解除に関するもので、トップカバーに固定されている。 部品が複数層になっているので、この部品がどの層に入っているかを確認しておく。

後ろ側。 取り付け時はトップカバーで矢印のバネを引っかけないよう注意。

外したところ。埃や動物の毛のようなもので汚れている。 遮光材のフェルトや毛糸は劣化していない。

トップカバー取り付け時は、先にファインダー横のレールにカバーの一部を通すとやりやすい。
取り付け後は「巻き上げ」「シャッターレリーズ」「レンズ収納」ができるか試す。

39:レリーズボタン。
41:レンズロック解除ボタン。
触ると回るようになっているので、組み立て時は角度を確認する。

91:レリーズボタンのリンク先。
丸印:41の先端はこの隙間に入る。奥にリンクがある。組み立て時に注意。

109のギアの下にはバネがあり、かかりは丸印の2カ所で、一方はギアの穴。 もう一方は42:巻き上げギアの下の金属カバーにバネがかかる場所があるようだ。

ここで各部の動きを確認しておく。
88-1:メーターの追針を左右に動かすバー。左が低輝度、右が高輝度。
70-1_a:速度・絞りダイヤルに連動して70-1が動き、70-1の一部である70-1_aが88-1を右に押して動かす。
88-1は左に向けてバネの力がかかっており、70-1_aが左に戻れば88-1も自然と左に戻る。しかしこの個体では戻らないことがある。 原因は88-1、70-1共に曲がっていること。後ほどメーターを取り外した際、これらを修正することで追針がスムーズに動くようになった。

写真は1/500, F3.5。
速度ダイヤルを1/500→Bに回すとL1が移動して70-2を押す。 70-2が移動すると同時に70-1も移動。 写真では見えていないが70-1が押していたメーターの88-1が左に戻り、追針が低輝度側に移動する。

写真はB、F22。
F3.5→F22にダイヤルを回すと、70-3が移動。 同時に70-1が移動し、メーターの88-1を押して追針が高輝度側に移動する。

写真は1/500でのレリーズ。
48はスローガバナーの一部。 レリーズで48-1が動こうとするが、L1に当たって動けず、48-3:アンクルが48-2:ガンギ車に接続されないため、高速シャッターになる。

写真はBでのレリーズ。
L1が移動したため、レリーズ時に48-1がL1の窪みに移動できるようになる。すると48-3:アンクルも左に移動して48-2:ガンギ車に接続され、低速シャッターになる。

更に分解していく。 乗っているだけの42:巻き上げギアの角度を記録し、外す。 すると109のギアが回ってテンションが失われる。 これは巻き上げ動作後、レバーを定位置に戻すためのバネ。 対処は後述。

ギアの中央と歯には黒いグリスが塗られていた。
ギアは丸印のピンで、「巻き上げ」「レバーの戻り」を制限していた。 ここは強くぶつかる部分だがグリスはなかった。
次にファインダーを分離するため、金属カバーのネジx4を外す。 Ax2は皿ネジ。 Bは長めの鍋。 Cはマイナス。 いずれも緩み止めが入っている。 この個体もそうだが、カメラではネジの頭側に緩み止め塗られていることがほとんどだ(通常はネジの先端側に塗られている)。 外す際に頭側の方が溶剤が浸透しやすく、小さなネジに負担がかからないからだろうか。

金属カバーをファインダーごと外した。

ファインダーとカバー。

ファインダーを下側から見たところ。 丸印は109のバネがかかる位置。

ファインダーとカバーを剥がした。 貼りつきの原因はグレーのビニールテープ。

ファインダーはプラスチックの接着で分解できそうになかったが、ビニールテープを剥がしたところ、ある程度は清掃できるようになっていた。 ビニールテープは20x20mm。 元はグレーだが、光が入る場所なので黒いテープに交換した。 ファインダーはガラスクリーナーで拭けるところだけ拭いたが、一部のカビは取り切れなかった。

分解していく。 バネを外す。

107:巻き戻しギアを外す。 矢印のワッシャーに注意。

スプロケット軸の一部に切り欠きが確認できる。

巻き戻しギアにも切り欠きがあり、これらがリンクする。 巻き戻し系も負荷がかかる部分なので、組み立て時はしっかりグリスを塗る。

写真は撮影モード時の状態を再現したもの。
107:巻き戻しギアはスプロケット軸を上下する仕様。 撮影モード時、107は105:バネに押されて下に下がっており、スプロケット軸の切り欠きとリンクしている。 107は白いプラスチック製のギア114とリンクしており、114は逆回転しない。 つまりスプロケット軸→107→逆回転しない114、とリンクしているため、撮影モードではスプロケット軸も逆回転しない。

巻き戻しモード時の状態を再現した。
丸印のピンが107を持ち上げるため、107とスプロケット軸のリンクが外れる。 これによりスプロケットが逆回転できるようになる。

巻き上げの動作テストをする際は、写真のように巻き上げギアを上からはめ、レバーをネジで固定するとよい。

42を外すと109の下のバネのテンションが解放されてしまうのだった。このままでは巻き上げ後にレバーが定位置に戻らない。
組み立てるときは、写真のようにレバーをいっぱいまで回してチャージし、その状態で109が動かないように押さえる。
押さえたまま42をレバーごと外す。
42を巻き上げ前の定位置の角度に戻して取り付け、109とリンクさせる。
これでバネにテンションをかけられる。

メーターユニットを分離していく。ネジ×3と矢印のバネを外す。
左下のネジは錆びついていた。 バネはCdSの上側を擦っているように見える。

ネジは外したが、メーターと電子室の間のAが、91に引っ掛かってはずれない。
ここで電池室の下側に、部品表にはない黒い紙(矢印)が挟まっているのに気付いた。 可変抵抗の絶縁用だろうか。

前から見たところ。91を外したいが、70-4に押さえらている。 70-4を外す。丸印のネジ。

70-4を外し、91を移動すると、メーターユニットを分離できた。 プラスの電極はボディを通して丸印の接点から得ていると思われる。 CdSは電圧をかけたが無反応。

裏側。アセテートテープが貼られている。

メーターユニットの下にはなにもない。

メーターユニットをよく見ると、CdSの線が矢印の2か所で錆びて折れている。 メーターを固定していたネジもだが、メーターの周辺だけ錆びている。 過去に水の侵入があったと思われる。
メーターはCdSの裏面や足ががっちり接着されていた。 エタノールでは剥がれず、様子を見ながら少量ずつアセトンを付けると剥がすことができた。 取り付け時は接着なしにする。
断線部分を繋いで電圧をかけたところ、不安定ながらも光の強さに応じて針が動くのが確認できた。 可変抵抗Aは全体の出力の調整。 Bは傾きの調整。
CdSはトップカバーの小さい窓から採光するので、正確にやるには、トップカバーを付けて計測、外して調整、を繰り返す必要がある。 しかし面倒なので、厚紙で採光窓と同じ大きさのもの作ってCdSの前に貼り付け、大まかに調整するとよい。 採光窓は直径3mm、厚さ1.6mm。 試しに調整したところ、既存の可変抵抗のみでLR44の1.5Vに合うようにできた。

メーターカバーを外してみる。ネジ×4。

追針はギアとバネで動いているだけの単純な構造。 電池のプラスはボディを通じてAのネジでメーターカバーにつながり、それが丸印の接点でメーターに伝わる。
接点が汚れているので清掃する。メーター指針、ヒゲゼンマイ周辺は少し触れるだけでも狂うので注意。
CdSをよく見ると、やはりバネが擦っており、冠の塗装がはがれている。 一応、レジスト補修剤で絶縁した。

ファインダー下のプレートを外す。ネジ×4。緩み止めが入っている。

プレートの裏にギアがある。周辺のギアも含め、グリスで汚れている。 見たところ黒いグリスと白いグリスが混在している。 プラスチック製のギアや部品も多いので、洗浄、注油はプラスチック対応品で行う。 これまでプラスチックにはシリコングリスを使っていたが、今回はフッ素グリスを使ってみる。 軸にはシリコンオイルを塗っていたが、こちらも今回からフッ素ドライルブ(小瓶に取ったもの)を試してみる。

巻き上げ機構を調べておく。 巻き上げレバーの力が109→114→104-1→141-1と伝わる。 141-1はフィルム室につながっており、それが更に底部に伝わり、そこでチャージしている。

分解を進める。109を外す。中央のネジ×1。ギアの丸印の位置にバネのかかりがある。

巻きバネや黒いプラ部品ごと外れた。

分離したところ。丸印同士が噛み合っていた。
リペアマニュアルではこの軸の部品への注油の指示はないが、他と同様、白っぽいグリスが薄く塗られていた。 プラスチック部品は自己潤滑性のあるものが使われているとは思うが、長年使うには注油しておいた方がよいのだろう。 組み立て時、フッ素ドライルブを使用した。

写真は109を外して裏返した状態。
109-2と109-1は同時に回る。 112と114も同時に回る。 114は巻き上げ方向の左にしか回らない。 112は下からバネで押し上げられており、巻き上げ時は109-2と112が丸印が嚙み合って、109-2が112を回す。
巻き上げレバーが戻るときは109-1、109-2が右回転するが、109-2の傾斜が112を下に押し下げ、109-2と112のリンクが外れる。 そのため112、114はそのままで、109-1、109-2だけが右回転してレバーが元に戻る。

112の上に109-2を置いて状態を再現した。 チャージ(左回転)では噛み合って巻き上げられる状態。

レバー戻り(右回り)だと109-2の傾斜が112を押し下げて噛み合いが外れ、109-2だけ回転する。

巻き上げストップの仕組みを見ておく。 112には丸印に切り欠きがある。

巻き上げで112が回転していくと、116が切り欠きに落ち込んで112の回転を阻害する。 巻き上げ完了でギアの回転を止める役割。

再び109-2を上に乗せた。
レリーズすると121が左に動く。 すると121_a(写真では見えにくい)が116_aを押し、116_bが109-2、112の切り欠きから逃げる。 これでギア群が再び回転できる状態になる。
組み立て時、レリーズ状態で109-2、112、116を写真の状態に合わせ、更に後述する底部の状態も合わせる。

レバーが戻る際、109-2は右回転するので、カムの形状から116に妨害されない。

116を外してみる。eリング。
116の下には巻きバネがあり、一方は116の一部である116_aに、もう一方は121の一部である121_aにかかっている。
取り付け時は、一旦巻きバネを入れ、一端を121_aにかけつつ116を取り付けはじめる。 116を下まで押し込む前にバネの反対側を116_aにかける。

巻きバネも外す。

ワッシャーを外す。

その下の部品はボディ内部から出てきている121と一体だった。 おそらく前板を外さないと分離できない。 125は114の逆回転防止用。
次に巻き上げ軸の部品を分離していく。矢印のeリングを外して112を分離する。

112の下には押しバネがある。114と一緒に外す。

114の下には何もない。 114取り付け時は125を右に動かして114とリンクさせること。
リペアマニュアルでは、軸Aにはオイル、軸Bにはグリスが指定されている。 Aはフッ素ドライルブで代替。Bにはフッ素グリスを塗った。