幕とリボンを必要な寸法に切り出す。写真を撮り忘れたので図を示す。
表示している寸法はオリジナルの幕を計測したもので、今回もこの寸法にした。長さはそれほど厳密でなくていい。短くて足りないと駄目だが、少々長い程度ならドラムに巻いてしまえばいいので問題ない。
(1)先幕、(2)後幕、共にリボンの幅は4mm。幕はフィルム側が布面、レンズ側がゴム引き面。
前回はオリジナル通り幕とリボンは幕素材一体で作成した。しかし幕素材のリボンは弱いらしく、自分の不注意とはいえリボンが切れたので、今回は幕は幕素材、リボンはリボン素材で別に作成する。リボンと幕はジャパンホビーツールで購入した。4mm幅のリボンはないので3mm幅で代用する。
幕竿内でリボンと幕を重ねて接着するので、リボンは上図よりも3mm長く切り出した。リボンの端はほつれやすいので、接着剤を少しだけつけて固めておくとよい。もちろん、元の幕や幕竿が正常なら再利用するのが一番だ。
幕竿を作成する。オリジナルの幕竿は幅3mm、厚さ0.6mmだった。
今回はアルミ板0.2mm厚からハサミで切り出した。切れ目が曲がってしまうので、ステンレス定規で押さえて軽く叩き、平らにしておく。叩きすぎると金属が伸びてしまうので注意。
左は後幕用、右は先幕用。中央に折り目の目安にする線を罫書いておく。
オリジナルはリボン部分がリベット留めされていたが、部品がないうえに難しすぎるので省略した。
裏面は後で塗装するので、塗料が乗りやすいようにヤスリで荒らしておく。#1200を使用した。
リボンを通す切れ目を入れる。オリジナルは1mm幅くらいの細い溝があったが、難しいのでハサミで切っただけにした。リボンは3mm巾なので、余裕をみて3.5mmとした。
竿を折り曲げる。中央の線にアルミ棒を当て、下から定規で持ち上げて曲げた。アルミ棒の角は落としておくこと。シャープな角に当てて曲げると折り目が割れてしまう。また一気に曲げても割れるので、ゆっくりやること。
45度くらいまで曲げたら、リボンを通しやすいように端を曲げて開いておく。
幕竿の端は切りっぱなしでは尖っているので、幕を傷つけたり幕竿同士が引っかかったりしないよう、ヤスリで角を落としておく。
幕とリボンを竿に接着する。斜めにならないように注意する。
前回は「セメダイン スーパーX」を使ったが、今回はネットの修理記事でよく使われているG103を使用してみた。速乾タイプなので、1分も経たないうちに動かなくなる。調整する時間が短く、難しい。しかしエタノールで容易にはがせるので、失敗しても貼り直せる。
リボン部分は写真のように幕とリボンが重なるので少し厚くなり、出っ張ってしまう。この出っ張りで竿同士が引っかかるかもしれないと思ったので、リボンを接着するのは、先幕はレンズ側、後幕はフィルム側にした。意味があるかは分からない。
リボンも幕も3mm巾でしか接着されておらず、それが両方から引っ張られるので強度に不安がある。定期的に接着状態をチェックしたほうがいいだろう。縫うのがベストだろうか。
竿を閉じて全体を接着する。
G103は速乾なので、竿を閉じたらすぐにクリップで挟んで圧着する。これで接着がある程度固まるまで待つ。
次に全体を完全に接着させるため、金属板などで挟む。上から重しを乗せたり、クランプで挟んで軽く圧力をかける。
このとき竿の折り目部分を少し出しておくこと。折り目を挟むと割れてしまう。
幕とリボンをマスキングテープで保護し、竿をつや消し黒で塗装する。薄く2回塗りする。木片に幕を貼り付けて竿部分を浮かし、両面を塗った。今回もMr.カラーを使った。
前回、2回目の塗りの際に1回目の塗装を剥がしてしまい、やり直しになった。このときは1回目の乾燥が不十分だったからだと思ったが、問題は筆の使い方だったようだ。筆は「塗料を塗りつける」のではなく、「塗料を乗せる」ように使うらしい。
今回は1回目のあと、1時間程度の半乾燥状態で上から2回目を塗ったが、問題なく塗装できた。塗装はプラモデル関係のサイトに情報が多くあり、参考になった。しかしきれいに塗るのはかなり難しく、今回もムラになってしまった。
1日置いて十分乾燥させる。