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幕の張替え - Leotax Tの修理

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新しい幕を古い幕と同じ寸法に切り出して幕竿に取り付けていく。

両面布タイプは手に入らないので、ジャパンホビーツールの片面ゴム引きタイプで代用する。厚さが0.20とオリジナルより薄いが、おそらく大丈夫だろう。一般的な幕と同じように、フィルム側が布面、レンズ側がゴム面になるようにする。

今回は糸では縫わず、接着だけで済ませるので、縫い目の分だけ短く切り出した。切り出す際は、カッターマットに弱粘着両面テープを貼り、その上で作業すると幕がよれにくい。

幕竿への接着は、リボンと平行になるように注意する。これが難しく、いまひとつ良い方法が思いつかない。とりあえず、カッターマットにリボンと幕を平行になるように置き、マスキングテープで貼り付け、動かないようにした。

この状態で、まずは幕竿の下側の面に接着剤を塗り、接着した。接着剤はG103をプラ注射器に入れて使用した。



幕竿の上側の面にも接着剤を塗ったら、幕を折り返して幕竿に貼り付ける。G103は速乾なので、貼り合わせが遅れると十分接着しないので注意。めくれてこないようになるまで数秒押さえつける。



この状態で、上からクリップなどを使って接着面全体をしっかり押さえる。今回はクリップに2mm厚のプラバンを両面テープでくっつけたものを使用した。

完全な接着には1日かかるらしいが、経験上、1時間程度で幕の走行を試せる程度の強度になる。

接着が終わったら、リボンと幕が平行で、幕竿が垂直になっているか確認しておく。ずれていたら貼り直し。はみ出した接着剤はできるだけ除去しておく。あまり多く残っていると幕の走行に影響が出る。




ドラムを底部に取り付ける。下側のシンクロ用カムとの取り付け角度は決まっているので、元通りに取り付ける。

この状態でドラムに幕を貼れそうだが、軸に遊びがあるため、幕が真っ直ぐ貼れているか確認できない。そのため、一旦、粘着テープで両方の幕をドラムに仮止めし、ボディに組み込んで状態を確認する。

先幕はバネ軸側なので、横方向の位置は重要ではない。真っ直ぐになるように気をつける。

後幕は巻き上げ側なので、横方向の位置も重要。だいたい事前に確認した位置に仮止めする。





幕を仮止めしたら軸にテンションをかけ、幕とリボンをバネ軸側に巻き取る。テンション調整ギアの中央のネジを左に回すとテンションが強くなる。幕が軽く走行できる程度の状態にする。



ボディに仮組みしていくが、これがなかなか難しく、注意点がいくつかある。

まず、ドラムを動かしてレリーズ状態を作る。先幕の幕と、後幕リボンがバネ軸側に巻き取られ、両方の幕竿もバネ軸側に位置している状態。

巻上ドラムは上から見て写真の状態になる。この状態でマスキングテープで固定すると組み込みやすい。丸印の穴にはボディ側のピンが入る。



レリーズ状態で、スローガバナーの右のギアが写真の状態になる。ギアのピンがスローガバナーの部品を押している状態。

状態が合っていなければ、バネ軸側後幕軸を少し持ち上げてリンクを外し、ギアの角度を修正する。



ボディに仮組みする。丸印は巻き上げ側ドラムの穴にはまるピン。マスキングテープにドラムの穴の位置を書いておくとよい。

この状態で巻き上げドラムの軸をボディに差し込み、同時に丸印のピンも差し込む。



次に底部を下から見て、2箇所のポールをはめ込む。

左側はレリーズボタンとスプロケット、右側は後幕係止部品からのポール。右側を先にはめた方がやりやすい。



バネ軸2本の上端をはめる。



全体がうまくはまらない場合は、矢印のギアとスプロケット下部のギアが噛み合っていない場合がある。スプロケットを少し回して噛み合わせる。



手順が多いが、なんとか全体がはまったら底部をネジで固定し、マスキングテープを剥がして幕の走行をテストする。

まず先幕について、真っ直ぐに貼れているかをチェックし、問題なければ一旦分解して幕を軸に接着する。テープを貼り付けたまま、幕を裏返して接着剤を塗ればよい。

先幕が接着できたら、次に後幕の位置を調整する。

幕がまっくすが、幕竿同士の位置関係は正しいか、などを確認する。問題なければ、再び分解して幕をドラムに接着する。

両方の幕接着できたら、再度走行テストを行ってチェックしておく。

問題なければ注油をしながら組み立てていく。



たまに後幕竿が矢印の幕を受け止める部品の山にぶつかって引っかかることがあった。

部品を外し(ネジ×1)、軽く曲げて山を低くすると引っかかる現象はなくなった。

このネジはアクセスしにくいので、狭所用の小さいドライバーを使うとよい。また、通常のマイナスドライバーの先端を斜めに削ったものでも対応できる。


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